■接着剤


「ボンド」や「セメダイン」などでお馴染みですが、「ボンド」は(株)コニシ、「セメダイン」は(株)セメダインの商品名です。正式には「接着剤」と呼ぶほうが適切なのですが、言いにくいので日常会話では結局「ボンド」や、「セメダイン」となってしまうようです。

ホームセンターには沢山の接着剤がならんでいますが、それぞれに長所・短所があり、用途に応じて適切な接着剤を選ぶ必要があります。

もっとも、日曜大工や木工では「木工用ボンド」しか使いませんが、その他の接着剤についても知っていると役にたつこともあるかと思います。

ちょっとアカデミックに組成による分類から説明したいと思います。市販の接着剤は下表のどれかにあてはまるはずです。
 

■組成による分類
天然接着剤 でんぷんのり、ニカワ など
合成接着剤 有機系 木工ボンド、アロンアルファなど
無機系 石膏、セメント など
次に、水溶性か固形かなど形態による分類です。
■形態による分類
固形 ホットメルトなど、熱で溶かして使う接着剤は固形です。
エマルジョン型 エマルジョンとは水のなかに樹脂を微粒子にして重合したものです。日本語では乳状液です。木工用ボンドはエマルジョン型です。
溶剤型 有機溶剤(シンナー類の総称)の揮発を伴う接着剤です。硬化の際、体積の収縮があります。
無溶剤型 溶剤を使用しませんので、体積の収縮がありません。
最後に、硬化方法による分類です。
■硬化方法による分類
乾燥型 木工ボンドや、合成ゴム系の接着剤は溶剤が乾燥することにより硬化します。
湿気硬化型 空気中の湿気により硬化します。
2液反応硬化型 エポキシ系接着剤は2液混合します。
ホットメルト 熱で溶かして接着します。

それでは、一般的な接着剤について解説したいと思います。通常用いる接着剤は下表の6種類です。(もしくは、いずれかのバリエーションです。)これだけ頭においておけばホームセンターで迷うことも少なくなると思います。

■木工用ボンド

 

 
↑一般タイプ
 
乾タイプ

<正式名称>
酢酸ビニル樹脂 エマルジョン 接着剤

[エマルジョン型・乾燥型]

<用途>
木、紙

<特徴>
何と言っても使いやすいのが特徴です。成分の50%〜60%が水です。

「速乾性」として売っているのは水分が少ないタイプです。一般用と比べて早く固まります。

<長所>
はみ出したところは固まるまででしたら水で拭き取れますし、乾くと透明になるのも長所。ただ、透明になっても水性の塗料は載りませんのでで塗装する場合ははみ出しに注意しましょう。

<短所>
水に弱いのが難点です。屋外は不可。水分が乾燥して固まりますので「やせ」がでます。また、樹脂自体の強度はあまり強くないので充填接着も不可です。固まったあとも水にぬれると軟化します。

<硬化>
静置:2〜6時間、完全接着は24時間。水分の影響を受けますので温度が大きく影響します。

■セメダインC(コニシ製品は「ボンド工作用K」)

<正式名称>
セルロース系 接着剤 

[溶剤型・乾燥型]

<用途>
木、紙

<特徴>
模型愛好者や手芸愛好者につかわれれいます。水を含んでいないので紙や布に塗ってもしわになりません。合成ゴム系のボンドGクリアーと混同されやすいですが、全く別もので、こちらは固まるとカチカチになります。

<長所>
乾くと透明になります。またカチカチに固まりますのでサンドペーパーで削れるのが長所です。

<短所>
溶剤が乾燥して固まりますので「やせ」がでます。成分の50%以上が揮発します。

■Gクリアー

 
 ↑Gクリアー 
 
 ↑G17

<正式名称>
合成ゴム系 接着剤

[溶剤型・乾燥型]

<用途>
木、皮、硬質プラスチック

<特徴>
意外と知られていないのですが接着剤を両面に塗った後、5分程度乾かしてからつけるのが正しいつけかたです。貼り合わせ後、ゴムハンマーで叩くとさらによくつきます。初期接着力が強く、壁面などへの接着も可能です。接着剤に弾性がありますので充填接着は不可です。

黄色いタイプがG17、透明なタイプがGクリアーです。接着力はどちらも同じです。

<長所>
初期接着力が強く、すぐに強度が出るのが特徴です。

<短所>
成分の50%以上が溶剤です。溶剤が乾燥して固まりますので「やせ」がでます。
※溶剤とは、シンナー類の総称と思ってください。

<硬化>
すぐに実用強度がでます。完全接着は24時間。

■セメダインスーパー(コニシ製品は「ボンドクイック」)

<正式名称>
エポキシ樹脂系 接着剤

[無溶剤型・2液反応硬化型]

<用途>
硬いものは何でもつきますがポリエチレン・ポリプロピレンはダメです。
※ ポリエチレン・ポリプロピレンは難接着材料で、普通はどんな接着剤でもつきません。これを逆に利用して練り台などはポリエチレン・ポリプロピレンで作られています。

<特徴>
主剤と硬化剤の2液混合型で、何でもよくつきます。6時間・60分・30分・5分タイプがあります。「カチカチ」に固まります。

<長所>
化学反応で硬化しますので、「やせ」が殆どありません。充填接着も可能。30分・5分タイプは短時間で実用強度がでます。

<短所>
2液を混合するのは結構手間です。手につくと簡単にはとれません。落とすのには、薬局で売っている「燃料用アルコール」が重宝します。500mlで350円位。

<硬化>
6時間・60分・30分・5分などは実用強度がでるまでの時間です。完全接着は24時間。

■セメダイン スーパーX(コニシ製品は「ボンドサイレックス」)



<正式名称>
変性シリコン樹脂系 接着剤

[無溶剤型・湿気硬化型]

<用途>
硬いものは何でもつきますがポリエチレン・ポリプロピレンはダメです。

<特徴>
「弾性接着剤」です。弾性なのになぜくっつくか不思議な感覚です。成分はシリコンなのでバスコークやシリコンコーキングを接着用に改良したものと思えば納得がいきます。

<長所>
空気中の湿気と反応硬化しますので、「やせ」がありません。弾性なので衝撃・振動に強いです。水や熱にも強いです。

<短所>
手につくと簡単にはとれません。

<硬化>
静置:1〜3時間、完全接着は1〜7日。表面はすぐに硬化しますが中まで硬化するのには時間がかかります。

■アロンα


<正式名称>
シアノアクリレート 接着剤

[無溶剤型・湿気硬化型]

<用途>
用途に応じて色々なタイプが発売されています。

<特徴>
木材など吸込みのある材料の場合は、ゼリー状や木工用を選択します。多量に付けるときなど「スプレープライマー」があると重宝します。 「小ネタ集」を参考にしてください。

<長所>
数秒でくっつきます。空気中の湿気と反応硬化します。

<短所>
手につくと簡単にはとれません。

<硬化>
固まった時点で完全接着されています。

セメダイン(株)のHPに「接着剤の基礎知識」というコーナーがあり、詳しく解説されています。

接着剤ウォッチング

made in USAの木工用接着剤 更新2004.11
■タイトボンド オリジナル (made in USA)


アメリカ フランクリン社で開発された木工用接着剤です。「タイトボンド」はもともとシリーズ名ですが「タイトボンド オリジナル」のことが、通称、タイトボンドと呼ばれています。(オリジナルを以外にもいろいろな種類があります。)
成分は、脂肪族樹脂系 エマルジョン 接着剤と表示されており聞き慣れない物質です。国産では類似のものはありません。(とても不思議です)
写真の接着剤は東急ハンズで入手しました。260gで400円位だったと記憶していますので輸入品にしては安価です。
タイトボンドは、硬化後の硬度が高いのが特徴でギターなどの楽器製作、御用達のようです。その他にラジコン飛行機の製作など、マニア用の間で使用されている接着剤ということになります。

タイトボンドはアーチザンズスピリッツさんで各シリーズを取り扱われています。日本の接着剤とは違った品揃えが新鮮です。
 

左は硬化後 、右は硬化前の写真です。

タイトボンドは水性で、木工用ボンド(酢酸ビニル樹脂 エマルジョン 接着剤)と同じような使用感です。木工用ボンドは硬化後も弾力がありますが、タイトボンド乾燥するとカチカチになります。(カッターで削れる位になります)

<正式名称>
脂肪族樹脂系 エマルジョン 接着剤 

[エマルジョン型・乾燥型]

<用途>
木、紙(一般的木工接着剤)

<長所>
水性接着剤なのにカチカチに固まりますのでサンドペーパーで削れるのが長所です。

<短所>
木工ボンド同様、水分が乾燥して固まりますので「やせ」がでます。成分の50%程度が揮発します。硬化時間:12時間

ポリエチレン、ポリピレンなどがくっつく接着剤 更新2004.11

■住友3Mプラスチック用接着剤

従来、ポリエチレン、ポリプロピレンは難接着材料と呼ばれ、接着剤ではくっつかない材料(極めてくっついきにくい材料)と言われていましたが、6〜7年前からこうした接着剤が店頭に並ぶようになりました。コニシボンドからはGPクリヤーという商品名で発売されています。
 

<正式名称>
合成ゴム系 接着剤

[溶剤型・乾燥型]

<用途>
ポリエチレン、ポリピレンなど

<特徴>
住友3Mから発売されているプラスチック用接着剤です。
この接着剤も、Gクリアーなどの合成ゴム系接着剤と同様、両面に塗った後、5分程度乾かしてからつけます。

 



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タイトボンドII・Franklin Titebond