■木材
ひとくちに木材と言っても、非常にたくさんの種類があります。
■針葉樹と広葉樹


針葉樹は、葉の形が針状(もしくはうろこ状)で、ほとんどが常緑樹です。比較的軽くて加工しやすく建築用材として広く用いられています。(針葉樹の代表樹種:杉、桧、栂、ヒバ、SPF)

一方で広葉樹は葉が広く、多くが落葉樹です。比較的硬く、建築用材以外にも家具や楽器などに使われています。(広葉樹の代表樹種:桜、ナラ、タモ、ブナ、ラワン)
 

■日曜大工や木工に適した木材


日曜大工や木工においては、加工性が第一ですので針葉樹を選択すると無難です。ただ、広葉樹でもラワンなどの南洋材(東南アジア産の材料)は比較的加工しやすいので結構使われています。

加工性は概ね木の比重に比例しますので、結局は比重の小さい木が日曜大工に適しているということになります。

裏返しですが、比重が小さい(加工性がよい)と、傷がつきやすいという欠点がありますので傷や、耐久性につよいものを作ろうとすると、比重がが大きい材料が適していることになります。ただ、比重が0.55〜0.6を超えるような材料(桜、ナラ、タモなど)は素人には加工難度が高く、棒材を長さ方向にカットしたり穴を明けたりする程度であれば可能すが、削ったり、ホゾを組んだりといった加工はまずできません。
 



■ホームセンターに並ぶ代表的な木材

樹種

樹種

比重
特徴
 

針葉樹

S.P.F.

(エスピーエフ)

0.45程度

北米からの輸入材料です。色が白くきれいで値段も比較的安価です。日曜大工では定番です。

※S.P.F.については「2X4材」を参照してください。

松、パイン 0.5程度

松ヤニと呼ばれるように、松からはヤニがでる場合があります。
パインは松の仲間です。ホームセンターに並ぶ棚板用などの集成材は殆どがパインです。こちらも日曜大工やカントリー木工などでは定番です。

0.45程度 耐久性、耐水性がよく、屋外への使用にも適しています。独特のニオイがします。ベンチ・フェンスや塀などにも適していますが値段が高いので一般の日曜大工ではにはあまり使われません。  
0.4程度

比重が小さく、軽いので扱いが非常に楽です。反面傷つきやすいので天板には向いていません。右の写真は杉の集成材ですが無垢板も販売されています。

レッドシダー 0.4程度

正式名称は「ウエスタンレッドシダー」です杉に良く似た性状ですが木材の分類上はヒノキの仲間です。独特の匂いがあり、防虫性や耐久性に寄与しているようです。軽くて耐久性もあるのでフェンスや塀、ウッドデッキなどにも適しています。ウッドデッキに用いる場合は強度に注意が必要です。

広葉樹
ファルカタ 0.3程度 色が白く柔らかいのでいわゆる「工作」に適しています。桐に代わる材料としてタンスの引出に使われています。傷がつきやすいことと、狂いが多いことに気をつけて使いましょう。棚板なで強度が必要な場合は避けたほうが良いです。
ラワン 0.5〜0.7 年輪がないのが特徴です。少し前までは日曜大工の定番でしたが、東南アジアの輸出制限などで、最近は少なくなってきています。


■日曜工作ランド 樹種図鑑 (更新2007.5)

樹種

樹種

特徴
木目

針葉樹

スプルース

S.P.F.のS:スプルースです。

パイン S.P.F.のP:パインです。冬目の巾が比較的広く、赤みがかっています。

広葉樹
オーク 家具ではお馴染み。導管以外のところに斑(ふ)と呼ばれるスジがたくさんあるのが特徴。「ダークオーク」は、オークに着色した色のことです。
ブナ(ビーチ) 家具ではここ最近人気が高い樹種。色白です。オークにある斑(ふ)の小さいやつが沢山あるのが特徴。クリア仕上げが多いです。

タモ 色はオークと似ていますが、導管が集まって年輪のように見えるのが特徴。

バーチ

バーチという名前は聞きなれないですが、日本でいうと「樺」。桜の仲間です。肌理が細かく少しピンクがかった色をしています。

チーク 会議室のテーブルなどで見かけますが、もちろん印刷物です。本物は高価な材料です。無着色の状態でこのような色です。
ローズウッド 会議室のテーブルなどで見かけますが、もちろん印刷物です。本物は高価な材料です。無着色の状態でこのような色です。
ウォールナット チーク、ローズウッドと並んで色に特徴があります。
シナ シナ合板でお馴染みのシナです。色白で肌理が細かく、価格も高くないので家具の内側などに使われています。
ラワン 年輪はありません。比較的やわらかいので、加工し易いです。ホームセンターにも並んでいます。
アガチス 点々のような柄が特徴の南洋材。年輪はありません。比較的やわらかいので、加工し易いです。ホームセンターにも並んでいます。


■木材の和名とコモンネーム

日本は温帯ですが、気候の同じような地域であれば世界中に概ね同じ種類の木が生えています。家具やフローリングでおなじみの「ナラ」も同じような木が温帯地域であれば世界中に生えています。建築・木工では同じ種類の木でも国産のものと外国産のもので呼び分けています。
 

国産材の呼び名
輸入材の呼び名
正式名称
米松(アメリカ産) Douglas-fir(ダグラス・ファー)
ー(松の仲間) パイン Pine(パイン)
米栂(アメリカ産)

Hemlock(ヘムロック)

スプルース Spruce(スプルース)
楢(ナラ)

オーク(中国産はナラと呼んでいます)

Oak
タモ アッシュ(中国産はタモと呼んでいます) Ash
ブナ ビーチ Beech
楓(カエデ) メープル

Maple

樺(カバ) バーチ Birch

 

■木材の水分


通常、木材には水分が含まれています。その比率を含水率と言います。

含水率 u(%) u= 100(W−W0)/W0

W:その状態での重さ

W0:全乾(水分0)での重さ

立ち木では200%程度はあると思います。人間の体の70%が水分といいますから同じ生き物として納得できる数値です。
 

■木材の乾燥


木材を含水率が高いままで使用すると乾燥収縮がおこり、狂いや隙間が生じます。

一般ではあまり知られていませんが、良質の建築材料は「カマ」に入れて人口乾燥されています。

十分に感想された乾燥木材を使うことが木材を扱う上での第一歩です。(ちなみにホームセンターに並んでいる木材は殆ど全てが乾燥材ですが、町の材木屋さんにある木材は、乾燥材と未乾燥材の両方があります。)

北米では乾燥材のことをKD材<ケーディざい:kiln dry=カマで乾燥の意味>と呼んでいます。ホームセンターに並んでいる2x4材、1x4材もほぼ100%がKD材です

乾燥すれば良いといっても水分0にすれば良いのではなく、大気と平衡する含水率がベストです。大気と平衡する含水率は平衡含水率と呼ばれ、12〜15%と言われています。木材を放置しておくと次第に平衡含水率に近づきます。

また、乾燥による弊害として収縮を覚悟する必要があります。乾燥による収縮率は針葉樹の場合で目安として、含水率1%あたり接線方向で0.3%、半径方向で0.15%程度です。
 

■収縮率は方向により異なります。
 
T:接線方向
R:半径方向
L:繊維方向
含水率1%あたりの収縮率

0.3%

0.15%

0.015%


L:繊維方向に関しては殆ど無視して良いほどですが、R:半径方向、T:接線方向に関しては結構収縮します。

市販の2×4材の殆どは現地で18%程度まで乾燥して輸入しています。ホームセンターから買ってきて置いておくと、R:半径方向、T:接線方向に関しては結構収縮します。

計ったことはないのですがホームセンターで17〜18%あるのではないでしょうか。ということは、平衡含水率に近づくまでに含水率にして3%程度は乾燥収縮率するということになります。

T:接線方向ですと、含水率-3%×収縮率0.3%=約1%、2×4材ですと89ミリ×1%=0.89ミリの収縮となります。
 

乾燥収縮のパターン
安価に販売されている2X4材や1X4材は小径木から、製材することが多いせいか、上図のような年輪の材料が一般的です。

A面はT:接線方向に相当しますのでよく収縮します。
B面はR:半径方向に相当しますのであまり収縮しません。
その結果、上図のような反りが発生します。

 
■木材の異方性


乾燥収縮が木材の方向により異なるのは、木材がは「繊維」で構成されており、繊維が木材の軸方向に配列されているためです。これを「異方性」といいます。

収縮率は、接線方向:半径方向:繊維方向で概ね20:10:1です。

「異方性」を持つのは乾燥収縮だけではありません。強度も方向により大きく異なります。

強度は、接線方向:半径方向:繊維方向で概ね1:2:10です。
 


■リンク

府中家具工業協同組合さんの木材図鑑に詳しい解説があります。