■取手・引手


何気なしに使っている扉や引出しには取手、引手が必ずあります。身の回りの家具の取っ手、引き手を観察してみると、方式、デザインがいろいろあることに気付きます。

取手、引手のデザインが、家具全体のデザインに大きく影響しますので、こだわりたいものです。

■つまみ

つまみの取り付けは、ビス穴を1個あけるだけですのでとても簡単。回転してゆるみやすいのキツクしめておきましょう。

■取手(とって)

取っ手の取り付けはビス穴が2穴必要です。写真の取っ手は表から固定していますが、通常は裏からビス固定。

ビスピッチにあわせて真直ぐに穴をあけないと、ビス穴がずれてしまって取っ手が取り付かないという失敗がよくありますので注意しましょう。

■手掛り(てがかり)

手掛かりは、扉や引出しを切り欠きます。正面から見るとでっぱりがなく、シンプルなデザインになります。

■掘込引手(ほりこみひきて)

扉を掘り込んで引き手にします。掘り込むので、合板や、化粧版の扉では掘り込み部分が美しくないので適していません。従って、婚礼家具やタンスなど少し高級な家具に用いられることが多いようです。

■掘込引手加工方法
左の写真は、厚さ30ミリのパイン材に深さ16ミリの掘込引手の加工をしたものです。

掘込引手の加工は、トリマーにストレートビットを取り付けて行います。

写真のように、テンプレートガイドを取り付け ることにより、テンプレートの形の掘り込みをつくることができます。

ビットは、テンプレートガイドの厚み分(約2ミリ)だけ内側を走りますので、テンプレートより2ミリ小さい形になります。

5.5ミリの合板でテンプレートを作り、トリマーで掘り込みます。あとはググリグリやるだけで、きれいな掘り込みができます。
掘り込みは、数回に分けて行いましす。切削抵抗がかなり大きいので一回で5〜6ミリ程度が限度です。

  
   テンプレート取り付け       1回目掘り込み(深さ5ミリ)    2回目掘り込み(深さ10ミリ)

           
     3回目掘り込み(深さ16ミリ)   テンプレート取りはずし

トリマー加工が終わった状態では、まだ手が掛かる状態になっていません。
下図のように「手掛かり」加工をする必要があります。
加工は、ミニルーターを用いるとうまくいきます。(、ミニルーターをお持ちでない方は何か他の工夫が必要です。)

ミニルーターのビットは、プレートタイプのカッターと球形のものを用いました。

塗装仕上げするとこのようになります。

■掘込引手加工方法 その2 更新2007.9

こちらは、タンスの引出し前板の引出し加工状況。

トリマー加工の際、大量の鋸くずが発生します。サイクロン集塵機で集塵しながら行うことで作業効率が飛躍的に向上しました。

掘り込み完成。今回は深さ15ミリ。

掘り込みのタシなれば・・と12.5ミリのU溝ビットにテンプレートガイドを付けてで削ってみました。でも削れたのは2ミリ程度。

U溝ビットは溝堀としては役に立ちませんでしたが、基準線としては大変役に立ちました。基準線から図のような形で掘込みます。

ここからミニルーターでの加工です。ビットは、円筒形のハイスカッターを使用してガリガリと掘り進んでいきます。

深さと幅を広げながら堀り進んでいきます。

最後にロールペーパーで滑らかに仕上げて完了。